(前回第五話のあらまし)リリースのたびに各界から注目されたシンボリクスは、Symbolicsブランドでは最終版となる『XL-1200』を発表し、世界中にその名をとどろかせる。そしてそのハードウエア上で展開されるプログラムも次々とバージョンアップを重ねて、成熟していったのである。
第六話 頂点
1990年。先進のテクノロジの粋を集めて完成したXLは、ポストプロダクションを中心に映像業界にその名を知らしめていた。
SymbolicsのXLシステムは、ペイントシステムの完成度の高さと共に、即時性が要求される「ポストプロダクション」の現場に3次元CGを持ち込み3次元CGをより身近にする引き金となった事は広く知られている事実である。
当時のポストプロダクションで特殊効果高級機とされていた「PaintBox」から「Harry」に代表とされるQuantel社の2D−PaintSuiteシステムは、Symbolicsの宿敵に当たる立場にあった。
当時の日本シンボリックス(株)の内部資料には、この宿敵である「PaintBox」や「Harry」に関連する記述が多く見られる。例えば、「PaintBox」に出来て「S-Paint」に出来ない効果は何か?とかその逆の記述は、当時の戦いの激しさを物語っている。
当時の3DCGの技術の中で高度とされていたサーフェースの「Wave(波紋)」や「Exprosion(爆発)」も最初はHacksにあったものが、後に本プログラムに採用されたものである。
XL-1200はこうして内容共に充実していくのである。
※各名称は各社の登録商標です。
第七話『進化』につづく・・・