(前回第二話のあらまし)MITのジョン・マッカーシーによって始められた『人工知能』の研究・開発はやがて実を結びLispを誕生させ、Symbolics Inc.を設立に至る。数年の後には”Symbolics 3600ファミリ”を完成させAIの研究の分野で成功を収めた。
第三話 熟成
映画制作の最中何度もコンピュータの限界を実感した彼等は、新たなCGのためのハードウエアとソフトウエアの開発に尽力をそそぐことになる。『使う側に立って、開発する』まさに、彼等自身がアニメータであるからこそ実現できる理想像がそこにはあった。
1年後の1983年、遂に彼等が納得して世の中に出すコンピュータ・グラフィックス・ソフトウエア『S-Product』が日の目を見ることとなった。一方日本では繊維系商社であるニチメンのある人間が、このシステムに注目していた。
例えばオブジェクトのある面を選択すると、その面に適用できる命令のみがポップアップされるといったインターフェースが自慢だった。
Symbolics社は、驚くことに当時からこの点を考慮し、キーボードやコンソールのデザインに加味していた。製造物責任の概念がまだ発達していなかった当時、そのデザインもコンピュータ・ユーザーの憧れの対象であった。
Symbolicsは、この年3600ファミリの最終版である”Symbolics 3650”をリリースした。
グラフィックス仕様の3650には、NTSC-VIDEOの入出力を装備し放送業界を震感させた。
『シンボリックス黄金時代』の到来である。
世界中で爆発的にヒットしたSymbolicsは、次第に『コンピュータ・グラフィックス専用機』としての立場を確立する。
当時騒がれていた”Hi-Vision”にも早い時期から対応し放送・映像業界に浸透していった。
※各名称は各社の登録商標です。
第四話『栄華』へつづく・・・